鉄道ではないヘッドマークを作りました!
●「バスにヘッドマーク・・・ですか?」
まず、誤解しないでいただきたい点ですが、
今回のご依頼は都営バス様からのご依頼ではなく、
スタッフの方個人の発案・ご依頼とのことです。
もう、3か月以上前のことになりますが、
「もうすぐ引退することになっているバスに寝台特急のようなHMをつけたい」
というご相談を個人名でいただきました。
「バスにヘッドマーク・・・ですか?
ご相談いただきありがとうございます。
でも、うちでは鉄道イベント用以外のは作ったことないですよ」
「いいんです。ぜひブルートレインくらいの大きさのものをつけたいんです」
というようなやり取りがありまして、
実際に日本海ファクトリーでHMを制作させていただくことになりました。
私たちスタッフは鉄道熱では知られていますが、バスの知識は皆無です。
でもご依頼主様が熱く語られる「ロールサインの魅力と希少性」を聞いているうちに、
すっかり夢中になり始めてしまいまして、デザイン作りにのめり込んでいきました。
デザインの大まかなイメージをお聞きする・・・
●大きく「H240」の文字と「バスの写真」を配置!
まず最初にいただいたご要望が「H240」の文字を目立つように配置すること。
そして、このバスは残りわずかとなったロールサイン(行先表示がLEDでない)
のバスなのでそのことをPRするため、
バスの実物画像と「惜別Roll sign car」の文字を配置することになりました。
バスの画像はもちろん実車のものですし、
バックミラーもアンテナも含め丁寧に切抜きしたものを使っています。
●運行エリアの名所の数々を配置!
続いて配置したいデザインは
このH240バスが運行されているエリアの代表的な名所の画像。
◆忠犬ハチ公 ◆御所 ◆旧国立競技場 ◆新宿ビル群 ◆新橋SL広場
を選び出して配置させていただきました。
これらを画像切抜きにして「見栄えがするように」しました。
●「桜をちりばめた優しい雰囲気も出したい」
この惜別マークは、「一般の方々にも名残惜しんでもらえるようなデザインにしたい」
という意図を感じましたので、優美さ、可憐さも感じていただけるように気を使いました。
●桜が映える背景、文字が映える背景・・・
「桜に青空」、そして色のコントラストをはっきりさせるため、上の方はゴールド系の色を使ってみました。
最初は背景の塗り分け方も「上下半分の分割」だったり
「ウェーブした分割」だったりしたのですが、
東京都章をイメージさせるような雰囲気で塗り分けたら素敵じゃないか
と思い立って塗り分けを決めました。
(余談ですが、このマークは「イチョウ」ではなくて「T」を図案化したものだそうですね)
最後の1週間、このヘッドマークを着けて営業運転しました
2015年10月末までの最後の1週間、
実際にこのマークを装着して営業運転いたしました。
道路交通に支障をきたしてはいけませんから事前予告はありませんでしたが、
それでも愛好家の皆さんが毎日のようにtwitterなどのSNSにアップしてくださり、
その様子を拝見しては
「みんなに愛されていた車両なんだなぁ」
と感慨深く思っておりました。
すでに都営バスからは引退し、
そのタイミングでこうして記事を書く許可をいただいております。
この後、別の活躍の場が与えられるといいなと思いますね。